暗黙のルール


気付いちゃいけない… 気付かれちゃいけない…

ふとした時に思う あいつは女で、俺は男だってこと 何年か前までは気にもとめなかった事実 でも、最近事あるごとに思う なんて言うか…気になる…

ちょっとしたことでわかる あいつは男で、あたしは女だってこと 少し前までは気にもしてなかった事 でも、最近思うの なんていうか…気になるの…

帰ってきた途端にスパナは投げるし 腕を壊したと文句ばかりつける でも… 俺の腕を直してる合間にみせるふとした仕草とか 話をしてる時にコロコロ変わる表情とか あと… 俺達が帰ってきた時に『おかえり』って 嬉しそうに笑うお前自身に すごく、ドキドキするんだ

いつも何の連絡もなくて帰ってくればボロボロで 心配ばっかりかけている だけど… 手を差し伸べてくれた時にわかるあなたの力強さとか ちょっとしたときに感じる優しさとか それに… 帰ってきた時に絶対に『ただいま』とは言わないけど かわりに、笑ってくれるあなた自身に すごく、ドキドキするの

あいつは俺にとって幼馴染みのはずなのに それなのに、…今は何かが違う でも…

あいつはあたしにとって幼馴染みのはずだった でも、…今は違うの あいつのことが…好きなの… だけど…

今はまだこの気持ちには気付いちゃいけない 今はまだ気付くことは許されない だって、今気付いてしまったら だぶん…この感情に甘えてしまう あいつがいることに、きっと…甘えてしまう

今はまだ言わない…言えるわけない 言ったらきっとあいつは困ってしまう この気持ちはきっと足手まといになってしまう だから、…言わない 気付かれちゃいけない

でも、いつか元の体に戻れた時 その時は…気付いてもいいだろ? この気持ちの意味に

でもね、あんた達が元の体に戻れたとき その時には…伝えても良いよね? 伝えさせてね?あんたを思うこの気持ちを

だからそれまでは

気付いちゃいけない

気付かれちゃいけない

これは自分とあいつの暗黙のルール

初エドウィン小説v 何となくこの二人って絶対元にもどるまでは 相手に対して気持ちを言わない思うのです。