「………ッ?!」 勢い良く飛び起きると、そこはベットの上だった。 「………夢?」 周りを見渡せばそこは見慣れた自分の部屋。 先程まで広がっていた暗闇など、どこにも無かった。 「………良かった……」 思い切り深呼吸して安堵する。 コンコン 「はい」 「お早う御座います、朝食のご用意が出来ましたので食堂までお越し下さい」 「分かりました、ありがとうございます」 そう言うと音が遠ざかっていく。 アレンは取りあえず食堂に向かうために着替えることにした。 「他のみんなはまだ寝てるだろうなぁ」 と、その直後数十メートル先から何やら爆発音が聞こえてきた。 「………あっちの方は…」 あっちの方のエリアには、とゆうか朝からこんな過激な事をする人物など1人しか思いつかない。 「あとでまた怒られても知らないから…」 実はこれは初めての事じゃなく、もはや朝の恒例行事と言っても過言ではない。 「よしっ」 アレンは身支度を調えると食堂へと向かうために部屋を出て行った。 「今日の朝ご飯は何かなぁ〜」 「アッレーンv」 「うわっ?!」 勢い良く後ろから突撃されて危うく転けそうになった。 犯人は分かっていたが取りあえず振り返る。 「キャメお姉ちゃん」 「おっはよ〜。アレン」 そう言われてしまうと怒る気も失せてしまう。 まぁ、元々怒る気などなかったが。 「おはよう、キャメお姉ちゃん。いきなり後ろからは止めてね」 「いいじゃん、気にすんなよぉ〜」 「だっていきなりだと転けちゃうよ」 「アレンなら平気だって〜」 「………」 理由としては全く理由になってないが、いつものことなので気にしないことにする。 「早くご飯食べに行こぉ?早くしないとなくなっちゃうぞぉ〜」 「大丈夫だよ。…たぶん……」 「あはは、アレンおもしろぉ〜い」 「もうっ!お姉ちゃん!」 「ごめんごめん〜」 このままでは本当に朝ご飯抜きになりかねないので、取りあえず2人は移動することにした。 「ねぇ、キャメお姉ちゃん」 「ん〜、なぁにぃ?」 「また今日もメイドさん壊したでしょ?」 「だって起きろってうるさいんだもん〜」 「もう、また千年公に怒られるよ」 「ダイジョブだってぇ〜。千年公はそんなこと気にしないから〜」 「そうかなぁ〜」 もうかれこれ何百体と毎回壊されては、そろそろ千年公だって本当に怒り出すかもしれない。 でも、キャメお姉ちゃんが言うと大丈夫に思えてくるんだよね。 「そうそう〜」 そういえば毎回怒りはするものの、本当に怒っているのかは定かではない。 もしかしたら、全くしょうがないなぁ、程度にしか思っていないのかもしれない。 そんなことを考えている内に食堂に着いた。 「おはようございます」 「おはっよ〜」 「お早うゴザイマスvアレン、ロード♪」 「今日は千年公だけなんですね」 「はイv他の皆さんにはお仕事に行ってもらっていマスカラ☆」 「そんなことどうでもいいじゃん〜。はやく食べよぉ〜」 「そうデスネ☆」 「はい」 こうして3人だけの食事が始まった。 「いただきます」 「いっただきまぁ〜す」 「いただきマスv」 「今日はベーコンなんですね」 「はい。そういえばロードv」 「ん〜、なぁにぃ〜?」 「貴女またメイドを壊しましたネ♪!」 「え〜、だってうるさいんだもぉ〜ん」 「まったく☆あれだって片づけるのは大変なんデスヨv」 「あはは〜、ごめんごめん〜」 全く反省の欠片も感じられない。 もとよりそんなものないのだろうが。 「しょうがないデスネvアレンからも何か言ってやって下サイ♪」 「えっ?!」 突然話を振られても食事に夢中でほとんど聞いていなかった。 「え、えっと…」 急いで何か言わねばならないと考えるがいい言葉が出てこない。 「キャ、キャメお姉ちゃん…」 「なぁにぃ〜、アレン〜?」 「…千年公が可哀想だからもうメイドさん壊さないであげて!」 「………」 シンとなった2人を見て、もう1度言ったことを繰り返してみる。 ま、まさかすごい変なこと言っちゃった?! アレンが混乱しているのなど露知らず、一瞬後には2人してそれぞれ予想外の行動に出た。 「アレンかわいい〜」 「わぁっ!」 そういうとロードはアレンにギュッと抱きついた。 「アレン、なんて良い子なんでショウv!」 千年公など感激して涙まで流している。 はっきり言って涙流している事以外変わらないのでものすごく分かりにくいが。 「もうっ!ご飯冷めちゃうからいい加減食べましょうよ〜」 アレンの言葉でロードは渋々席へと戻る。 「キャメお姉ちゃん、今日学校ですか?」 「うん、そうだよぉ〜」 「じゃあ今日は僕と千年公だけですね」 「そうデスネv」 「めんどくさいなぁ〜」 「クスクス、頑張って行ってきて下さいね。キャメお姉ちゃんが帰ってくるのちゃんと待ってますから」 「アレン〜、良い子で待っててくれるぅ〜?」 「はいっ、良い子にしてます!」 「あっ♪!…お取り込み中の所悪いのデスガv」 「なんですか?」 「実はアレンには行って来てもらいたいところがありマシタ☆」 「行ってもらいたいところ…ですか?」 クルクル クルクル 歯車が回る準備をし始めた
まず最初のご登場はロード&千年伯爵でした! ってか、千年公しゃべり方がムズい…。 アレンにキャメお姉ちゃんって呼ばせるか、ロードお姉ちゃんって呼ばせるか 結構迷いました。