「ただいま」 「お帰り〜、アレン」 仕事を終えて帰るとそこいたのはアレンを出迎えるロードと千年公といるはずのレロだった。 「はい、イノセンス取ってきました」 「わぁ〜、えらい〜。いい子いい子ぉ」 「えへへ」 頭を撫でてもらう。 良い気持ちでこれをしてもらうのは好きだった。 「これ渡してきた方がいいですよね」 「千年公なら部屋にいるよぉ」 「僕じゃあ渡してきます」 「いってらっしゃぁ〜い」 「いってきます」 そういえばまたレロ勝手に連れてきたのかな? ロードお姉ちゃんよく持って来ちゃって千年公に言われてたよね。 でも絶対無断で持ち出したんだろうなぁ。 そんなことを思いながら歩いていると意外にも早く千年公の部屋までたどり着いた。 コン コン 「はイv?」 「アレンです」 「どうゾ☆」 「失礼します」 中に入るとそこはいかにも千年公のお部屋、といった感じだ。 「頼まれてたイノセンスこれでいいですか?」 すっと差し出す。 その手の中には不思議に光る何かがあった。 「はいvこれでスvどうもお疲れさマ☆!」 「良かった」 グゥ〜 その時何かが鳴った。 「アレンv?」 見ればアレンはそこはかとなく恥ずかしそうで。 「………」 そう正体はなんて事はない。 お腹の音である。 アレンは鳴ったのがよほど恥ずかしいのか下を向いてしまっている。 「………あの」 「アレン、ご飯にしマしょうカ☆?」 「はい………」 アレンはまだ少し恥ずかしそうにしている。 2人は連れだって食堂へと向かった。 あと少しすればアレンもこのことなど忘れて食事を楽しくしているだろう。 ロードお姉ちゃんも誘おう。 きっとレロと一緒に暇してるはずだから。 食堂までは長い。 言ったらお菓子くれるかな。 ロードがくれるお菓子が実は大好きなアレンだった。 「ちっ」 「あら、お帰りなさい神田」 「………あぁ」 「今回の任務はどこだったの?」 「………マテールのイノセンス回収」 「あぁ、あそこだったの。それでどうだった?」 「当たりだ」 スッと神田が見せたのはカプセルに入ったイノセンス。 「そう、お疲れ様」 「………」 だがその様子が常と違って見えて。 不機嫌なのはいつものことだが今回の神田は不機嫌とはまた違った風で。 「何かあったの?」 「………ノアに逢った」 「ノアにっ?!」 聞いたリナリーは驚きを隠せない。 今まではアクマとは遭遇してもノアとは一切接触がなかった。 そのノアとの遭遇。 それはこの事態を動かすのに十分な情報だった。 「とにかく兄さんに相談しましょう」 「………あぁ」 小走りで研究室に向かう。 今まで一切出てこなかった奴らの出現。 これの意味するところは果たして何だろう。 クスクスクスクス バッと振り返ればそこにはただ廊下が広がるばかり。 気のせいか。 そう思い踵をかえす。 だが神田には何故かあの街で出会ったノアのことが忘れられなかった。 カラ カラ カラ カラ 欠けたピースは何処にある。
アレンは本編と同じく大食いです。 因みにロードはお菓子常備してます。 そういえばアレン達の年齢なんですが実は違います。 アレンと神田がちょっと年齢下げました。 アレン10歳、神田13歳くらいと考えています。