「僕が行きます」

アレンは朝食の場でそう言った。

今回のお仕事はある街で起きている奇怪がイノセンス絡みだということ。

そして中にはエクソシスト以外は通常入れないということが伝えられた。

だがノアなら別だ。

その特殊能力によってあの中に入ることなど容易い。

「でもアレン〜」

「だってイノセンスがあるんでしょう?」

「でもアレンには入るこトが難しイかもしれまセン☆v」

「どうしてですか?」

「アレンはぁ〜、ノア並の復元力はないでしょぉ〜」

「それは………」

「それにアレンはまだエクソシストに対抗する術がないでショウv?」

「でもっ!」

「どうしてそんなに行きたいのぉ〜?」

「えっ………?」

「だってそんなに必死になるって事は何かあるんでしょぉ」

「べ、別に理由なんてありません!」

「ホントにぃ〜?」

「本当です!」

「アレンv?」

「はい千年公」

「どうしても行きたいでスカ☆?」

「行きたいです!」

伯爵はアレンを見据える。

暫く沈黙が続いた。

「仕方ないでスネv☆ロードv?」

「なぁに〜」

「アレンを連れて行ってやって下サイ☆v」

「いいけどぉ、千年公いいのぉ?」

「構いまセンv!アレン☆!」

「はい」

「ロードの言ウコトをしっかりと聞くんデスヨ☆?」

「ありがとうございます千年公!」





































任務で街に来てみればそこは明らかに奇怪が起きている街だった。

「ねぇ神田、そっちの方はどう?」

「どうもこうもねえよ。どこからも出られねぇ」

「やっぱりなぁ。こっちも色々やってみてはいるんだけどイノセンス回収しない限りは出るのは無理そうだわ」

「ちっ」

「取りあえず合流しましょう。広場のカフェで待ってるわ」

「ちっ、分かった」

通信が途切れるとゴーレムはリナリーの周りを遊ぶ様に飛んでいる。

「兄さんには連絡いれておいた方がいいかしら?」

ドンッ

「わっ!」

「きゃっ!」

数歩歩いた所で何かとぶつかった。

いや、ぶつかって来たといった方が正しいかもしれない。

「ご、ごめんなさい!」

「いえ、こちらこそごめんなさい」

よく見るとぶつかってきたのは子供だった。

まだリナリーよりも5つか6つ年下に見える。

「ごめんなさい、急いでいたから………」

「ううん、こっちも前を見てなかったから」

手を引いて立ち上がらせてあげる。

子供は幾分か遠慮気味にそれを取る。

「お姉さんはこの街に観光?」

「え、えぇ、そんなものよ」

「ふーん」

そこでリナリーはふと気づいた。

目の所を良く見ると傷がはしっていた。

だが子供は何でもないようにしている。

見えていないのかと思ったがどうやら普通に見えているようだ。

「あのお姉さん」

「えっ、何?」

「ここら辺の広場って何処にあるか分かりますか?」

「君この街の子じゃないの?」

「はい、観光みたいなもので来てたんですけど………」

「誰かとはぐれちゃったの?」

「………実はお姉ちゃんとはぐれちゃってここが何処だか分からないんです」

「そう、じゃあ一緒に行く?」

「え?」

「ちょうどこれから広場に行く所だったの。良かったら一緒に行かない?」

「いいんですか?」

「もちろん」

「あ、ありがとうございます!」

顔を嬉しそうに輝かせる。

そんな子供を可愛いなと思う。

広場までの道は他愛もないことを話した。

あれだけ迷った道も連れてきてもらえばなんてことはない距離で。

またお姉ちゃんに色々言われるよ。

広場まで着くとそこは人々で賑わっていた。

まるで奇怪があることが嘘のようだ。

「ここが広場よ」

「ありがとうございました」

「ここで待っていればお姉さんに会えそう?」

「はい、大丈夫です!」

「じゃあこれで」

「本当にありがとうございました!」

「どういたしまして」

そう言って踵を返した時だった。

「お姉さん!」

呼ばれて振り返ればそこには嬉しそうな子供が立っていて。

「あんまり出歩かない方がいいですよ」

「えっ?」

「それじゃあまた逢いましょう綺麗なお姉さん」

そう言って子供は去っていった。









































カラン カラン

一つピースを見つけたよ





































アレンが漸く動き出しました。 一応この街は巻き戻しの街です。 ただ話の都合上今回の任務はこの組み合わせです。 たぶんここら辺から色々ある予定です。 頑張ってやります。