雪の日に












あいつと出会ったのは とても寒い日だった








騒がしい喧噪、しかしそれはあくまでも表の顔。

ひとつ道を外れれば、そこは行き場のない子ども達の集まる場所。

つまりは"ストリートチルドレン"が集まる場所だ。

そんな中で2人は出会った。





「よ〜っし、今日はあそこさね」

そう一言自身に確認をとると、少年は一気に行動に移した。

ガッシャ〜ンッ

「あっ、このガキ!待て泥棒〜!!」

「へっ、待てと言われて待つヤツはいね〜さ!」

少年は慣れた様子で人影をぬって店から遠ざかって行く。

人の多い町は大人にとっては不便でも、子どもにとっては酷く盗むことに適していた。

それを少年は知っている。

だからこそ、こんなところにいるのだ。

「ここまで来ればもう大丈夫かな」

言うと歩調を緩める。

念の為にと後ろを伺った時だった。

ドンッ ドサッ 

「うわっ!」

「………っ!」

「って〜!ってゴメンさ!前見てなかったから…」

見ると目の前には子どもが尻餅をついていた。

4、5歳位かな?

「大丈夫さ?」

少年の問いに子どもはコクリと頷いた。

「そっか〜。良かったさ〜」

心底安心した様に言うと、そこで相手がこちらをじっと見ていることに気付いた。

「………?」

何かと思い視線を辿る。

「もしかして…、お前これが欲しいんさ?」

そう言って先程盗んできたパンを持ち上げる。

「………」

子どもは何も言わない。

グウッ〜

辺りに盛大な音が鳴り響いた。

「………ッ///」

子どもは思わずお腹を押さえて俯く。

「お前、…もしかして腹減ってんさ?」

すると子どもは恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしながら頷いた。

「って言ってもこれは俺の今日のご飯だしな〜…」

言おうとしてふと気がついた。

こいつの服ボロボロさ。もしかして…

「お前も孤児なんか?」

そう聞いた瞬間、子どもの顔が曇る。

そして、暫くして静かに頷いた。

「そっか…」

暫く沈黙が2人を包み込む。

「よっしゃ!いいぜ、一緒に食おう!!」

少年は急に明るく言い放った。

当の子どもは訳が分からずキョトンとしている。

「お前孤児なんだろ?俺もなんさ〜。だから、なっ?」

言葉と共に楽しそうに笑う。

子どもも嬉しそうに笑った。











「俺ラビって言うんさ。お前は?」

路地裏に隠れていつもの様に食事をして。

そしてラビはこの子どもに名乗っていないこと、そして名前を聞いていないことに気付いた。

ラビはヨロシクと言わんばかりに明るく言う。

しかし、子どもは何も言わない。

いや、言おうとはしているのだ。

先程から一生懸命に何かを言おうと口をパクパクさせている。

「もしかしてお前、…しゃべれないんか?」

「………っ!」

子どもがビクッと震えた。

「………まっ、たいしたことじゃないし気にしないでいいさ」

「………!」

子どもは目を見開いてラビを見上げた。

「どした?」

何でもないコトの様に振る舞うラビに心底驚いていた。

「あれ、俺なんかいけないこと言った?」

子どもが何も言わないので思わずそう聞いてしまう。

すると子どもはこれでもかと言うほど首を横に振った。

「そっか〜。良かったさ!」

思わず笑ってしまった。

「あっ、ねえ、しゃべれないなら口パクでもいいから教えてくんない?」

また子どもはあたふたし始めた。

「大丈夫だって!俺分かるから!!あるんでしょ?名前」

驚き、そして段々と恥ずかしそうにしながら。

子どもはゆっくり、そしてしっかりと名乗る。

<<アレン>>






















やっとup出来ましたっ! 仔ラビアレお題その1、出会い編〜!! もうこれ見つけた時に素敵サイトさんたくさん回ってたら、思わず書きたくなっちゃって…。 でも…、妄想が先走って上手く言いたいことが書けませんっ(泣) これの細かい設定は後々出て来る予定です。 妄想って素晴らしいネッ(何?!)!!