言葉にしなくても、分かってるって思ってた ケンカのあとは… けんかをした。 それは、数時間前に遡る。 「えーん、じーん、ちょっと来てー」 「何ー、お母さんー」 「いいからちょっと来てー」 「はーい。陣、行くぞ。おい、陣!」 「えーっ!!!俺、今ゲームしてんのにー!」 陣は、ゲームに夢中で全く止める気配もなかった。 「お母さんが呼んでんだからしょうがないだろ」 「えー、焔兄だけで行ってきてよ」 「ふざけんな、ゲーム止めてとっとと来い!」 「やだっ!せっかくここまでやったのに!」 「だったら、セーブして早く来い!」 「今止めたら、進み方忘れちまう!」 「何わけわかんない事いってんだ、お前は!」 「わけわかんなくねぇっ!!」 「わけわかんねぇよ!いいから、来い!!!」 「やだっ!!!」 こんな事を言い合ってるうちに母の怒りの声が階下から響いてきた。 「焔、陣!!あんた達何やってんの!!!」 「ほら!陣がいつまでもゲーム止めないから、怒られたじゃんか!!!」 「な、なんでだよっ!だったら、焔兄が一人で行けば良かっただろ!!!」 「なんだよっ、その言いぐさは!!!」 「とにかく、俺は悪くねぇっ!!!」 この陣の言葉に、焔はとうとう我慢が出来なくなった。 焔は無言のままゲーム機の方に歩いていき、そしてコンセントを思いっきり抜いた。 「なっ、何すんだよ焔兄っ!!!」 急な焔の行動に、陣は掴みかかった。 パンッ! その瞬間陣は頬に鋭い痛みを感じた。 何が起こったのか理解するまでに時間がかかったが、 わかった瞬間、怒りがわいてきた。 「…なっ、なんで叩くんだよ!焔にっ…」 「何でお前はいつもそうなんだよっ!!」 陣の抗議の声を遮った焔の眼は、完全に怒っていた。 陣が何も言えなくなったのに対し、今度は焔が一気に捲し立てた。 「何でお前はいつもいつも、そうやって面倒事を俺に押しつけてっ!! 俺が一体どれだけお前の尻ぬぐいしてると思ってんだよっ!! いつもいつも無計画で無鉄砲でっ、何考えてんだよっ!!!」 焔は怒りに任せて、いつもの溜まりにたまった不満が口をついて出ていた。 「この間だって、やめろって言ったのに凶に突っ込んで行くし! 何で言うことが聞けないんだよっ! 第一お前がもっとしっかりしてたら、あんな事にはならなかったんだっ!! いいかげんに学習しろっ!このバカっ!! 足手まといになるなっ!!!」 一気に言ったために息が乱れていたが少し落ち着いた焔が 一言も発していない陣の方を見た。 陣の眼には今にも零れそうな程の涙が溜まっていた。 陣は消え入りそうな位の声で呟いた。 「え、焔兄だって…」 「えっ…」 「焔兄だって俺には何も言ってくんねぇじゃんかっ!! お、俺だって、言ってくんなきゃわかんねぇよっ!!!」 「………」 「そんなに足手まといなら、俺もう楽師辞めるっ!!!」 「じっ…」 陣は言うなり部屋を出て行ってしまった。 言ってはならないことを言った気がした 焔は、陣の傷ついた瞳が眼に焼き付いて離れなかった。 言わなくても分かってくれてるなんて、間違っていたんだ………
ラグーンエンジン、初のまともな小説です。 うぅ〜ん、く、暗いっ!!! その上短いっ!!! まぁ、これはまだ続きますが……… 管理人は暗いのよりほのぼのが好きなのに〜(>_<)←だったら書くなよ… とりあえず、最後までお付き合い下さいv